「ハッカソン」… それはエンジニアにとってなんだかドキドキする甘い言葉。 今回、地方(三重県)で1泊2日のハッカソンを開催してみたので そのお話。同じように地方でも主催&参加してみたいなぁと思ってる方の参考になれば幸いです。
ハッカソン?
プログラマ × デザイナ × なんだか面白いことを思いつく人 などが集まって、(単にアイデアを出し合うだけでは無く)短期集中で”ががっと”「動くもの」を作って楽しむと言った感じのイベント… と言う認識です。 しかし、誰でも参加できる間口が広いイベントは東京を始め そこそこの大都市だけで行われ、地方では殆どやってません。
なんで開催したの?
ここ三重でもアイデアソン的な物(アイデアをどう作り出すか的な有料イベント)は若干見かけますが、出たアイデアをその場で「物」に作り上げるようなものは見かけません。 絵に描いた餅では無く、作り上げる方には是非参加してみたいと思ってたのですが、近くの都会である名古屋でもあんまりやってないし、地元三重ではどんだけ待ってもやりそうもなかった& Code for ○○的な「コードで地域問題を解決する」感じの奴は性に合わなかったので、開催してみることにしました。
- 全国のハッカソン情報 Hackathon Style Info http://hackathon.style-info.org/
ハッカソンを開催するには?
オープンなハッカソンには参加したことが無かったので、何をするのかさっぱり分かりません。検索してみたところ、いくつかサイトが見つかりました。準備や当日の流れ、チェックリストなどが書いてあるので、これを見て何となくな流れは想像できます。
- アイデアソン ハッカソン運営ガイドブック
https://www.slideshare.net/htus-ltd/ss-172871046 - Hackathon in a Box @ Google Developer Relations Japan https://sites.google.com/site/devreljp/Home/hackathon-in-a-box
大きな流れ
上記によると一般的な大きな流れとしてはこんな感じらしいです。
- テーマを決める
- 告知・人集め
- 集合→作る物を決める(アイデアソン)
- 作り出す
- チーム別に発表
今回、テーマはあんまり良いのが思いつかなかったので、広く「三重に関する何か」としました。後述しますが、これは広くて失敗でした。 実際には、 1日目
- 自己紹介・発表
- 作る物を決める(アイデアソン)
- 作る物の準備
2日目
- ひたすら作る
って感じの流れになりました。
開催までの流れ
会場を探す
当初はアクセスがよく、ネット回線がある街中で探していました。しかし、街中のビルの部屋だと都会でやるのと変わりません。三重の立地を活かした場所(伊勢神宮、鈴鹿サーキット内、伊勢志摩の海の見える所、忍者屋敷)もよさげですがツテも金もありません。 最終的には、コネで借りることの出来た青山高原という緑豊かな高原の山荘でやることにしました。ちなみに会場には固定のネット回線は無く、地方の高原だけにモバイル回線もDocomo/AU(LTE)、Softbank(3G)、WiMAX/emobile圏外と言う感じでしたが、3Gでも意外と大丈夫でした。
告知
応募ページ(Web)を作ってからfacebookとtwitterで「やるよー」ってのを流しました。 想定していた対象は三重県内のハッカソンに飢えているエンジニア。募集開始してから「緑豊かな高原でやっても地方在住者には(日常なので)魅力的では無いのでは?」と妻に言われて、アァ タシカニ….と思いましたが、告知をしてみると 東京や関西などの県外からも参加の問い合わせがありました。 ネットで見てると地方のハッカソンも「都会からの価値観を取り入れ云々」って書いてあったりもして、(内容によっては)遠いところからも来て貰えるイベントらしいと言うことを この時点で初めて知りました。
- 作った 参加者募集ページ(ハッカソンミエ) https://www.moyashi-koubou.com/other/hackathon_mie_2014/
人選
会場で寝られる(雑魚寝)人数が5~6人だったため、募集要項を若干きつめにしました(詳しくは上記の募集ページ)。優先したのは下記事項。
- アイデアソンやハッカソン参加経験者優遇 僕が参加したことがなかったためその人に司会をやってもらえばいいや
- Web、スマートフォンアプリ開発者優遇 自分も作るのに混じりたかった
- 若い人優遇 自分がおっさんなので平均年齢を下げるために
最終的には7名応募があって、色々あって参加者は私を含めて4名でした。まぁ僕の力ではこんなもんでしょう。 参加者が決まってからはチャットワークを使って連絡事項をやりとりしました。これはハッカソン中~後もファイルのやりとりを始め、結構活躍してくれて良かったです。
- チャットワーク http://www.chatwork.com/ja/
集合→作る物を決める(アイデアソン)[ハッカソン当日]
その場で1から考えていては時間が無いと思い、事前に「自己紹介&三重に関する作りたい何か(自分で作れなくても良い)」のプレゼンを作ってきてもらい、それを発表→作る物を決めていく流れにしてみました。 残念ながら、あてにしていた「ハッカソン・アイデアソン経験者」は参加できず、テーマを広くしすぎたため若干まとまりの無い物になってしまいました。 参加者が発表した内容はこんな感じ
- 方言
- ゲーム
- ネタサイト(掲示板)
- iBeacon
結局、発表した内容はあまり使われず、エッセンスだけが抽出され、どういう流れでそうなっていったのかは思い出せませんが、「県内の子ども向けのイベント情報を扱ったスマートフォンアプリ」を作ろうと言うことに決まりました。 アイデアソンの色んなテクニックを駆使できる人が入っていたら、若干広くても良い感じにまとめ上げてくれるのかもしれませんが、入っていない場合は、○○の問題を解決しよう、○○って言うAPIを作って何かしようみたいなテーマの方が、狭く制限されてるが故に みんなが具体的なアイデアを出せてよさげだなぁと感じました。
作り出す
1日目は、作る物の準備で終わりました。 市役所、大学、図書館、公的施設のページをメインに全員で手分けしてkimonoを使って良い感じに整形(→json化)しました。夜は みんなで温泉行って飯食って、再度準備して寝る感じで終了。単調な作業もみんなで文句言いながらなら まぁ何とか頑張れました。
2日目は朝から、ひたすら作りました。 今回のメンバーはちょうど、バックエンド×2(php/js)、フロント×1(html/css/js)、サーバ+アプリって別れる事が可能でした。人数が大量の場合は良い感じになるかもしれませんが、少人数の場合は主催者が良い感じにする必要がありそうだと感じました。 折角の高原なので定期的に外に散歩行ったりして、何とか明るい内に形ある物ができました。いやぁ楽しかった。
その後 [ハッカソン終了後~]
チャットワークで掲示板を作っていた関係もあり、終了後もちょっとした修正やなんかのやりとりがあります。ただ、がっつり作り直したり機能追加ってのは難しそうだから、作って終わり感は否めません。これって他の場所はどうしてるんでしょうかね。
課題
どう考えても華やかさと若さに欠けました。デザイナーや若い子に参加してもらうにはどうしたら良いのでしょうか。オープン感が足らないのかなぁ… 未だに分かりません。良いアイデアがあったら教えてください。
まとめ
- みんなで何か作るのはやっぱり楽しい
- ハッカソンは思ってたよりも遠いところからも来てくれるイベント 主催者が詳しくなくても、内容によっては誰かがなんかしてくれるかも
- 少人数の場合は主催者が良い感じに人選する必要がありそう
- テーマは狭くした方が良い 迷ったら地域問題解決系とかどうですか
- 会場に固定回線が無くても何とかなる
- 主催者が未経験なら余裕を持って1泊2日以上の開催にしよう
- 地方でも開催可能!
細かいの
- 公開用のサーバ(LAMP的なもの)は予め用意しておく&設定も済ませておく
- サーバは不特定多数の人が入るかもしれない設定にしておく
- WindowsUpdate等は済ませておく(モバイル回線しか無い場合)
- スマートフォンアプリは前日にでもSDKに新しいアップデートがないか確認しておく(モバイル回線しか無い場合)
やってなかったら やってみよう
ハッカソン行きたいけど自分の住んでる地方ではやってないなぁ… ってあなた! 若干の手間はかかりますが、主催してみてはいかがですか?少しくらいは集まりますよ & きっと楽しいですよー。
参加者の方のブログ
- ハッカソン in ミエに参加して、地元三重県のイベント紹介『らららみえ』を一部作ったー
http://kuze.tsukaeru.jp/tsunezune/archives/2014/09/000564lalala_mie.shtml
次回
面白かったのでまたやりたいです。 地方の温泉街は大抵酷いことになってる場合が多いので、寒い時期にそう言うのと絡めて温泉宿とかでやってみたいなぁ。三重県内で安く泊まれるよー(雑魚寝&素泊まり可)って情報お持ちの方いらっしゃいましたら是非教えてください&これ見て面白そうって思った方はコメント欄にでも書いていただければ、またやるとき連絡します。 メンバーが固定化して新しい人が居心地が悪いってのだけは避けたいので、どんどん新しい人に来ていただきたいと思ってます。特にデザイナーの方のご応募をお待ちしております!
ちなみに出来たのはコレ(Androidアプリケーション)
デザイナーが入ってないので見た目が残念な感じですが、内容はちゃんと子ども向けイベントが表示されいて悪くはない気がします。ダウンロードは最下部。良かったら使ってみてください>三重の方
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